““鬼滅の刃”は、漫画はもちろんテレビアニメや映画も、子どもから大人まで人気を集めています。私もテレビアニメと映画は網羅しました。鬼が人を喰ったり、鬼の首をはねたりするので残虐な描写もありつつ、観てみると、意外にもSELとして観られる要素を多く含むという印象を持ちました。そこで、今回は映像作品の『鬼滅の刃』のSEL的要素に焦点を当てます。
『鬼滅の刃』をSEL的に観られるポイント
本シリーズでは、キャラクターが技を繰り出す際に、流儀によって名付けられた“呼吸”を使います。主人公の竈門炭治郎は、水の呼吸と途中から日の呼吸(ヒノカミ神楽)を使います。我妻善逸は雷の呼吸、嘴平伊之助は獣(けだもの)の呼吸というように、キャラクターの特徴がそのまま呼吸と結びつけられています。
以下はあくまで私の解釈であり、作品の解説というのではなく、SEL的に捉えた場合のいち解釈です。
炭治郎は成長し、強くなるにつれ、苦戦に強いられた際に呼吸に集中します。そして、苦難を乗り越えていきます。呼吸に集中することで、精神と身体を整える様子は、マインドフルネスに通じるものがあります。

SELに直結する部分では、感情の制御がみられる点が挙げられます。強い鬼はそれぞれに特殊な戦闘能力を持っていると同時に、心理戦に長けています。だから、炭治郎達も武術に長けるだけではなく、心理戦においても強くなる必要があります。炭治郎は強い鬼に出会う度に、精神を集中し、心理的な攻撃に耐え、勝利します。たとえば、感情を乱し隙を作ろうとする鬼が出てきても、炭治郎は呼吸を整えることで、感情の制御を取り戻し、鬼に反撃するシーンは複数出てきます。炭治郎のこうした様子は、まさに感情(情動)のコントロールといえ、SELとして良いお手本といえます。
また、炭治郎は自分の考えをしっかり持っていると同時に、相手を尊重し、どんな相手にも分け隔てなく接します。たとえ、鬼であっても倒した後は、鬼が人間だった時の苦悩を思いやり、亡骸に手を合わる様子も象徴的に描かれています。鬼滅隊の仲間に対しても同様です。クセのあるキャラクターが多く、対人関係が苦手にみえる相手であっても、炭治郎は心を開いて接します。でも、何でもかんでも仲良くなるわけではなく、異論がある場合はきっちり伝えます。だから、本シリーズで描かれる対人場面は、社会性を学ぶ上で参考となり、ロールプレイングになるでしょう。
ただし、注意点もあります。次回、映画倫理機構(映倫)の判定にも絡めて詳しく取り上げます。
テレビアニメ『鬼滅の刃』シリーズ
Netflix、U-NEXT、ディズニープラス、Hulu、Prime Video等にて配信中
対象年齢:16歳以上
公式サイト
監修・TEXT by 武内三穂
マインドフルネスイメージ画像 by Shahariar Lenin from Pixabay


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