今回は、心理学の雑誌から、映画、ドラマ、アニメの舞台を訪れる「聖地巡礼」にまつわる記事をご紹介します。
聖地巡礼による既知感となつかしさが私達を内的世界へ誘う
今回取り上げる以下の記事はリンクをクリックすると読めます。PDFのダウンロードも可能です。
楠見(2026)によると、「コンテンツツーリズムとは,小説・映画・ドラマ・アニメなどの作品の舞台となった場所を訪ねる旅」と定義され、物語の舞台を「聖地」と捉え、「聖地巡礼」と呼ばれるようになったといいます(p.24)。
そして、「聖地巡礼は,『内的世界を確かめる行為』でもある」といい、物語の「舞台を訪ねる旅は,内的な物語世界と現実世界を往還し,『今の自分がどこに立っているのか』を再確認する機会となる」と述べています(p.25)。
聖地巡礼は熱心なファンがする推し活というイメージがあったものの、上記のように自分の「内的世界を確かめる行為」、「『今の自分がどこに立っているのか』を再確認する機会」であると捉えると、より意味深い儀式のように感じますね。
また、楠見(2026)は聖地巡礼を既知感となつかしさから解説しています。楠見・米田(2018)による調査の結果を引用し、聖地巡礼特有の既知感は、映画、ドラマ、アニメ等の映像コンテンツでは高かったものの、「小説は他のコンテンツに比べて訪問時の既知感が低く(中略)読者が文字から想像したイメージと実際の風景との間に,食い違いが生じやすいためと考えられる」と述べられています。(楠見, 2026, pp.24-25)
楠見・米田(2018)の結果からすると、映像コンテンツを発端とする聖地巡礼のほうが、聖地巡礼した際に物語への没入感を得やすいとのことで、皆さんもお気に入りの映画やドラマ、アニメがあれば、自分の内的世界への旅という感覚で聖地巡礼を試してみてはいかがでしょうか?
聖地巡礼による心の旅も、情動の動きに目を向ける機会となるので、SEL(社会性と情動の学習)の一環になると思います。
下記の論文もダウンロードして読めます。
TEXT by 武内三穂
森を歩く後ろ姿イメージ画像 by ThreeMilesPerHour(Suzy) from Pixabay


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